方丈記に、似た運命

— 懐かしい古典が、今、蘇る —

長嶋茂雄⑤


長嶋茂雄シリーズの最終回。
今まで長嶋さんのオチャメなところばかり見てきましたが、最後は、長嶋さんの実績や長嶋さんが残した名言を見て終わりにしたいと思います。
まず、現役時代の成績から。

年度   安打  本塁打   打点  打率
1958  153  29   92  .305
1959  150  27   82  .334
1960  151  16   64  .334
1961  158  28   86  .353
1962  151  25   80  .288
1963  163  37  112  .341
1964  144  31   90  .314
1965  151  17   80  .300
1966  163  26  105  .344
1967  134  19   77  .283
1968  157  39  125  .318
1969  156  32  115  .311
1970  128  22  105  .269
1971  155  34   86  .320
1972  119  27   92  .266
1973  130  20   76  .269
1974  108  15   55  .244
通算成績 2471 444 1522  .305

獲得タイトル
首位打者6回
本塁打王2回
打点王5回
最多安打10回
最優秀選手5回
ベストナイン17回
ダイヤモンドグラブ2回
国民栄誉賞
野球殿堂

次に監督時代の成績。

年度  順位  勝利  敗戦  勝率
1975  6  47  76  .382
1976  1  76  45  .628
1977  1  80  46  .635
1978  2  65  49  .570
1979  5  58  62  .483
1980  3  61  60  .504
1993  3  64  66  .492
1994  1  70  60  .538
1995  3  72  58  .554
1996  1  77  53  .592
1997  4  63  72  .467
1998  3  73  62  .541
1999  2  75  60  .556
2000  1  78  57  .578
2001  2  75  63  .543
監督通算   1034 889  .538

これを見れば分かるけど、長嶋さん、現役も監督も成績はかなり優秀。
現役時代は名球会にも加入している。
本塁打は歴代11位、打点は歴代6位、安打数は歴代7位と文句なしの成績。
しかも、オールスターや日本シリーズでの勝負強さはもうすごいとしか言い様がなかった。
ここでは書いていないけど。。。
また、監督としての成績も悪くはない。
通算勝利数も歴代13位で、勝率で言うと名将と謳われた三原修、上田利治、王さんと同じ。
しかも野村監督よりも勝率は良いんだから。
一部では長嶋さんはカンピューターとか迷采配と揶揄されたりもするけど、成績だけ見れば全くそんなことはない。

にもかかわらず、長嶋さんの評価はなぜかいまいち。
なぜだろうか。
やはり、それはキャラクターだろうか。
親しみやすくてサービス精神旺盛のあの性格。
長嶋さんがああいう性格じゃなくてもっと口数が少なくて落ち着いた感じなら、そこまで評価が下がることもなかっただろう。
また、長嶋さんが巨人でなければ、ここまで注目されることもなかったかもしれない。
前任者の川上監督、ID野球の野村監督と比較されたりして苦労も大きかったと思う。
ただ、長嶋さんの最大の功績は、野球をポピュラーなスポーツに押し上げたことではないだろうか。
野球をする人間だけでなく、野球を見る人間も楽しませてくれた。
野球というスポーツを国民的スポーツにしてくれた。
この点では長嶋さん以上の人物はいないと思う。

個人的な話をすると、僕は、小さい頃は広島を応援していた。
逆に、小さい頃から巨人は嫌いだった。
そもそも、広島と巨人なんて真反対のチームカラー。
それでも、長嶋さんのことは好きだった。
巨人が嫌いでも、長嶋さんは好きと言う人は多いんじゃないだろうか。
例えば、野球を知らなくても、長嶋さんのことは知っている人も多い。
また、不思議と元選手からも悪く言われる話を聞いたことがない。
たいてい監督って選手起用とかで誰かからは恨みを買うはずなんだけど、あからさまに長嶋さんのことを悪く言う人はいない(ように思う)。
この点は、長嶋さんの魅力だと思う。

最後に、長嶋さんの名言を見て終わりします。
けっこう良いこと言っています。
決して面白いことを言うだけのおじさんじゃないんですね。

・スランプなんて気の迷い。
 ふだんやるべきことを精一杯やって、土台さえしっかりしていれば、スランプなんてありえない。
 僕はいつも、オレは絶対打てるという気持ちでボックスに立っていますよ。

・終わったことは忘れろ、明日がある。
 感動も落胆も、その日限り。

・人生はトータルだもの。
 1年や2年の勝負じゃないよ。

・野球選手には人間関係で悩む暇などない。
 すべてはバットを振り、ボールを追いかけることで解決すべきなのだ。

・「あしたはきっと良いことがある。」
 その日、ベストを出しきって駄目だとしても僕はそう信じ、ただ夢中でバットを振りました。
 悔いはありません。

・挫折してもプライドは失わない。
 それは努力しているからだ。

・小さなボールと一本のバットには運命と人生がつまっている。

・長嶋茂雄であり続けることは、結構苦労するんですよ。

・努力は人が見てないところでするものだ。
 努力を積み重ねると人に見えるほどの結果がでる。

どれも良くないですか。
なんか落ち込んだ時に、少し勇気がもらえそうな感じがします。
少し心が軽くなるというか。

今回はこの辺で。

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