方丈記に、似た運命

— 懐かしい古典が、今、蘇る —

関根潤三~優しいおじいちゃん


今回は、関根順三さんについて。

●自己紹介の際のコメント。
いつも「よろしくどうぞ」からスタート。

●親友で盟友の根本陸夫からの評価。
「潤ちゃんは、見た目は紳士だけど、中身はヤクザ」
「あいつはインテリヤクザ。絶対に怒らせてはいけない」

●同じく広岡達朗からの評価。
「関根さんは怒らせてはいけない」
見た目おだやか、優しいおじいちゃんだけど、若い頃はかなり武闘派だったらしい。
普段優しい人が怒ると怖いという典型。

●張本勲からの評価
「一言で言えば静かなバッター」
「バッターボックス入るときはね、バッターは意気込んで入るじゃないですか。だけど、この人の場合はね、体重計乗るようにそっと入るんです。珍しいよね」

●元祖二刀流
現役時代は投手として65勝、バッターとしても1137安打を記録しており、二リーグ制以後に限れば通算50勝、1000本安打の両方達成を記録しているのは関根さんだけ。

●実は元近鉄選手。
ヤクルト監督のイメージが強いが、ヤクルトOBではない。
実は元近鉄の選手。
現役最後は巨人に移籍し、V9の最初の優勝に貢献している。
現役引退後は、広島東洋カープで一軍打撃コーチをしている。
長嶋巨人ではヘッドコーチをしている。
実は、大洋ホエールズの監督もしている。
大洋の監督就任は、次期監督候補だった長嶋さんへの繋ぎだったが、最終的に長嶋さんの太洋監督は実現せず。

●ニックネームはお父さん。
現役最後の年、巨人に移籍した時は38歳で川上監督以外はコーチを含めて全員年下という状況だったために、チーム内からはお父さんと呼ばれる。
文献によっては「おじいちゃん」と書いてある場合もある。

●大洋監督時代に高木豊をレギュラー抜擢した際のコメント。
「今日は基で行くが、残りはお前だ。基に恥ずかしくないプレーをしろ」
後に高木豊は、「ベテランからレギュラーを奪うのだから、覚悟を持ってやれ」ということだと理解したとか。
ちなみに、高木豊、
監督からは「アウトになっていいから走り続けろ」とも言われたらしい。

●二死一塁でヒットエンドランのサイン
ヒットエンドランは作戦としてはハイリスクだったり、ツーアウトからだとわざわざやる意味がないとして、特にツーアウトの状況では避けられる。
ところが、関根監督、ツーアウトでヒットエンドランのサインを出したために、バッターだった高木豊は驚く。
高木豊、タイムをかけて慌てて
監督に真意を聞いたところ、「二塁打を打てば点が入る」と言われる。
で、本当に二塁打を打ったらしい。

●近鉄バッファローズ消滅時に、デーブ大久保が「近鉄はプロとしてぎりぎりのチームだったから、お客さんを呼ぶことができませんでした」といった趣旨の発言をした際のコメント。
「近鉄がプロにぎりぎりのチームなんて、ふざけんじゃないよ」
死火山と思われていた関根さん、突然大噴火を起こす。
関根さんは近鉄OBであり、また近鉄のOB会長をしていたこともあって看過できなかったか。

●ヤクルト監督時代に、池山隆寛に「いいというまでやめるな」と素振りを命令する。
そして、そのことを完全に忘れてしまう。
忘れたまま喫茶店に行ってしまったとか。
で、池山さんは延々と素振りをしていたらしい。

●巨人戦でチャンスの場面で、広沢に代わって長嶋一茂を代打で送る。
広沢さん、関根監督から代打を言われた時、当時のヤクルトは二千本安打を達成した若松勉が代打で出ていたので、「若松さんなら仕方ない」とベンチに下がるも、出てきたのは長嶋一茂。
広沢さん、「俺の代打が何で一茂なんだ?」とベンチ裏で暴れたとか。
ちなみに、長嶋一茂を代打で起用した理由は、長嶋さんが好きだったからだとか。
どういうこと!?
ちなみに、長嶋一茂をドラフト一位で指名したのも関根監督。

●愛弟子の池山、広沢に対するコメント。
「あのふたりには夢を持てました。練習が楽しみで仕方なかった。極端な話、ゲームなんかどうでもいいほどでした」
「彼らを前に押し出すということを意識的にやった」

●のんきな関根監督。
生まれてから、時計を持ったことがないらしい。
理由は、町中にいくらでも時計がるからだとか。
こういう事情があって、待ち合わせに時間通りに来ることはあまりなかったとか。

●ヤクルト監督時代にクローザーとしてアイケルバーガー投手を獲った理由
「名前がおもしろくて獲ったんだよねー、なんて言ったっけ?開幕で暴投してすぐいなくなっちゃった」
ちなみにアイケルバーガー、8試合に投げて0勝3敗、防御率は7点台と散々な成績で終了する。
個人的にクスっと笑ったのは、川崎球場でのロッテとのオープン戦での出来事。
当時の川崎球場はアイケルバーガーの掲示板がなかった上に、名前が長いこともあって、一部のファンから名前の表示がどうなるのか注目を集めたとか。
で、最終的に「バーガー」と表記される。
これにはロッテファンからも「球場職員ナイス!」という声が多数上がったらしい。

●解説者時代のヤクルトの助っ人に対するコメント。
「今のヤクルトの外人はいいですね。 私の時は安酒みたいな名前のしかいませんでしたからね。
これってアイケルバーガーのことか?

●ピッチャーへの激励の仕方が独特。
ピンチの際にマウンドに向かう際に、ピッチャーの足を思い切り踏みつける。
優しそうな笑顔で「ここで打たれたら怒るよ」と激励する。
被害者の会メンバーは、ギャオス内藤と川崎憲次郎。

●三連戦
「三連戦の初戦、なにがなんでも落とせませんね」
「三連戦の真ん中、なにがなんでも落とせませんね」
「三連戦の最後、なにがなんでも落とせませんね」

●一点の重み
「さっきの一点は大きかった」
「この一点は大きいですよ」
「次の一点は大きいですよ」

●プロ野球珍プレー好プレーにて。
島田紳助:「明らかにここ(頭)を狙ったデッドボールってありますよね?」
関根監督:「ありますよ。でも頭はダメですよね。ここ(頭)から下ならいいですけどね」
島田紳助:「関根さんは監督時代に、ここ(頭)から下のデッドボールを指示されたことってあるんですか?」
関根監督:「ありますよ」

●今日の試合
「今日の試合は両方とも負けられない試合ですよ」
「今日の試合は両方とも重要ですよ」
「今日の試合は両方とも勝ちたいですよ」

●優勝お助けマン
監督を通算6年しているが、Aクラスは1回だけ。
しかも、ヤクルト監督時代は、二位のチームには軽く負け越して、一位のチームには大きく負け越したことで「優勝お助けマン」と呼ばれていたとか。
ちなみに、ヤクルト監督時代の一位と二位の対戦成績がこれ。

西暦     1位        2位
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87 巨人/7-16-3 中日/9-14-3
88 中日/7-19-0 巨人/13-12-1
89 巨人/7-19-0 広島/8-16-2

今回はこの辺で。

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