方丈記に、似た運命

— 懐かしい古典が、今、蘇る —

川藤幸三~難波の春団治


今回は、川藤幸三さんについて。

●実は、・・・
 実は、高校時代はピッチャー。
 実は、甲子園にも出場経験あり。
 実は、内野手として入団している。
 実は、入団当初は俊足と強肩で鳴らしている。
 実は、ショート、ライト、レフトを守ったことがある。
 実は、レギュラーでもないのに現役生活19年。

●モルツのCMで
「待つことが仕事だった男」というナレーションの後、テレビを見ながらビールを飲むざこば師匠が「川藤出さんかい!」と言う。
そして、川藤が代打で登場。
それを見てのざこば師匠のコメント。
「ほんまに出してどないすんや!」

ちなみに川藤さん、晩年は代打専門であったためにベンチで出番を待つことも多かったが、「準備だけはしっかりさせてくださいよ。控えはそこに進退をかけているんです」という名言を残している。

●オールスターでのまぼろしの二塁打
現役最後の年にオールスターで出場した川藤さん、左中間を破るヒットを打つ。
一塁コーチだった王監督が手をグルグル回して二塁に向かうように指示を出すも、王監督が予想していた以上に足が遅かったために、まさかの二塁ゆーゆーのアウト。
二塁にスライディングする時点でアナウンサーからは「危ない!」と言われる。
解説の安藤統男からは「ちょっと無理でしたね。川藤の足を考えたらね」と言われる。
ベンチ裏インタビューを担当した同僚だった小林繁からは「先ほど見事な二塁打を打った川藤選手です」と言われる。

●解説で
「巨人はね、ち密な野球ができないんですよ。もー去年までのホームランで点を取るような野球はダメなんですよ。ち密な野球をやらなきゃいけないですよ。昨日ね、たまたま高橋由伸がホームランを打ちましたけど、昨日は昨日、今日は今日、今日はもう打てませんよ」
このコメントの直後に、高橋由伸ホームラン。
その直後の川藤さんのコメント
「まーこんなこともありますよ」

最終的にその試合は、古城のホームランで巨人がサヨナラ勝ちをする。
その時のアナウンサーと川藤さんの会話。
アナ:(興奮気味に)川藤さん、古城がホームラン打ちましたよー
川藤:こんなこともあるって言うとるやろーっ!
アナ:打ったのは変化球でしたね?
川藤:ストレートや、コノヤロー!!

●日本語の分からないマット・キーオへのインタビューで
「自分で野球やってみてな、ベースボールやってみて、ジャパンをどう思うか?」
当然、キーオには伝わらず。

●少年野球での指導で
「もっとしっかり飯を食ってね、早く大きくなって、一日も早く阪神タイガースに入ってな、救うたってくれな!」
「ん?巨人行きたいのか?アカン、やめとけ!」

●キャンプで居眠りしていた時のコメント。
「だいたいな、キャンプで朝早くからはよ起きてやで、何でガチャガチャガチャガチャ体操せなあかんのや!?」

●アナウンサーから「今日の大豊のバッティングはどうですかね?」と聞かれて。
「ゴチャゴチャ言わんと見ましょうよ!」

●アナウンサーから「川藤さん、この場面どうでしょうか?」と聞かれて。
「今、ピッチャーも一生懸命やってますよ。バッターも一生懸命やってます。そんな場面でね、ゴチャゴチャ言わんとね、黙って見ましょうよ!」

●アナウンサーから「これから安芸キャンプが始まりますよ。紅白戦も間もなく始まりますが、川藤さん、今、どんな気分ですか?」と聞かれて。
「ポカポカポカポカと暖かくて、今、眠たい!」

●アナウンサーから「今日の川尻投手、調子はどうでしょうか?」と聞かれて。
「わしゃ、分からん」

●アナウンサーから、熾烈な首位打者争いについて聞かれて。
「わしゃー、規定打席に達したことがないから、よく分からん!」

●「バットは短い方が良いのか、長い方が良いのか?」と聞かれて。
「そんなもん、自分が振れるもんがエエ!」

●阪神が日本一になった時に、祝勝会でマイク仲田に対して「おい、マイク、優勝したんやからよ、今日は先輩後輩もねえから、仲間と思って一緒に飲むぞ!」と言った時に、マイク仲田がふざけて「分かったよ、春団治!」と返した時の川藤さんの強烈な一言。
「おい、ええか、酒は飲んでも飲まれるな!」

●アナウンサーから「今の阪神の頑張りは、八木や久慈といった控え選手の頑張りが大きいんじゃないでしょうか?」と聞かれて。
「おい、こら、お前。お前なー、八木や久慈を控え選手なんてよく言えたのー?何を言うとるんじゃ?今のタイガースに控えはおらんのじゃ。全員が戦力なんじゃ。アナウンサーのくせに何をしょーもないことを言うとるんじゃ!?二度とそんな台詞言うなよ!」

川藤さん、ブチ切れた。
自分が現役時代ずーっと控え選手だったこともあるのではないか。
それで、場の雰囲気が悪くなる中、空気を変えようとアシスタントが「それでは川藤さん、今後タイガースに期待することはありますか?」と聞いた時の川藤さんのコメント。
「まーそうやのー、沖原や上坂といった控え選手に頑張って欲しい」

●外野の守備固めを誰にするかとベンチで相談していた時のコメント。
「ワシはアキレス腱を切るまでは俊足強肩でならしとったんや。ゴチャゴチャ言わんとワシに任せんかい!」
守備固めとしてレフトに入るも、いきなり打球が飛んできて完全に打球を見失う。
三塁打を献上する。

●守備コーチ時代にノックをしていたらホームランを打ってしまって、選手から「今のはむりです!」と言われて。
「気合いで捕りに行かんかい!」

●守備コーチ時代にインタビューで「今年の阪神は先発が10人と揃ってはいるんですが、そのうち4人が実績がないんですが」と振られて。
「実績ちゅうのは、どの選手だってもともとは誰もないんですから。」

●阪神の一軍外野守備コーチに就任した際の阪神ファンのコメント。
「川藤が外野守ったとこなんて見たことない!」
「あの川藤がなに教えんねん!?」
ちなみにその翌年は、一軍総合コーチになっている。

●解説していた試合で阪神の負けが濃厚となった時のコメント。
「もう知らん。わしは何もしゃべらん」

●現役通算のヒットの数が211本
イチローが一年間に打った本数とだいたい同じ。
イチローは210本を打っているので川藤さんの方が上らしい。
現役時代に打ったホームラン16本のうち5本が引退した年に打ったもの。
通算代打成績は384安打、11本塁打、58打点、打率264であり、代打の神様と呼ばれることも。

●「ランディ、将棋やろう。教えたるわ。ジャパニーズチェスや」と言って、バースに将棋を教える。
ちなみに、アメリカに帰ってもバースは川藤には感謝しているとのこと。

●給料をカンパされたことがある。
1983年、チームの若返りのために球団首脳から引退を言われるも、「阪神一筋で野球ができるなら給料はいりません。ただ、引退しろというならトレードに出してください」と直訴する。
最終的に現役を認められて一軍最低保証年俸で契約更改することになるが、この話を聞いた上岡龍太郎らがカンパでお金を集めてそれを川藤に手渡している。
その集まったお金は、身体障碍者のための川藤ボックスとして使われている。

今回はこの辺で。

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